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『めぐりあう時間たち』

2016/11/02 comment: 0

めぐりあう時間たち


紹介動画ナシ
何度も下書きをしては難しくて断念していた作品『めぐりあう時間たち』について思うことを書いています。



メリルの映画をDVDで後追いしている私が劇場で見た数少ない作品のひとつです。

夫が珍しく映画に誘ってきたので(←私がメリルファンなのを知っているので)一緒に見ました(^^)でも、その時はMyメリル・ブームじゃなかったので全く予備知識ゼロ!!それなりに感動したんですが、とにかくわかりませんでした(^^;)

その後また見たいとも思わなかったのですが(笑)何だか驚くほどの高評価。なので再挑戦~したのですが、やっぱり『ダロウェイ夫人』を読んでからの方が良さそうです。
このセリフは…、このシチュエーションは…、『ダロウェイ夫人』に書かれていることと同じなの??と気になって気になって(笑)ちなみに夫は『ダロウェイ夫人』などヴァージニア・ウルフの作品を若い頃いくつか読んだことがあったようですが、それでもこの映画は難しかったと言っていました。



『めぐりあう時間たち』(2002年)The Hours

私が思うには、この映画の難しいところは「見えにくい」ことです。
まず主人公の女性3人の苦悩の中身が見えにくい。3人の女性のある一日の話(生き方)が時代を超えて絡まりますが、まったく同じシチュエーションではないので絡まりが見えにくい。これは『ダロウェイ夫人』を読んでいたら、もう少しわかる気がします。

自殺(死)に向かう小説家ヴァージニアを死なせまいと頑張る夫。エイズで死に向かう元恋人リチャードを死なせまいと必死で看病するクラリッサ。そしてローラは自分の中で、死に向かう自分を死なせまいとがんばる(葛藤する)。「死」に焦点を当てて考えただけでも、女性3人の人生の中で「死に向かう」主体が入れ替わり複雑な絡み合い方です(笑)

さらに、ゲイに比べ見えにくい存在のレズビアンを絡ませています。

(ゲイではありませんが)おネェ、ニューハーフなど呼び名は時代で変わっていますが、そういった男性(元の体は男性)をテレビでよく見ます。世の中の男女比で考えれば同じような女性(元の体は女性)が同じくらいいるわけです。欧米メディアでは、「見えにくいレズビアンの苦悩を描いた画期的な映画」として評価されているのですが、一方で、公開当時あえて同性愛には一切触れず映画の宣伝をしたこともあり「彼女たちの苦悩の中身がわかりづらい」という意見も多いのです。

ヴァージニア → ローラ → クラリッサ
と時代が進むにつれて「レズビアンである女性」がハッキリしてきます。


同性愛に焦点を当てると

ヴァージニア(ニコール・キッドマン)
現実と虚構の境がなくなるのは昔から小説家ではよくあることなので(珍しい話ではない)、それ以上に「何を悩んでいるか周囲にはわからない」。つまりその時代、(存在すら)まったく理解されないレズビアンの女性を表していると思うんですよね。姉にキスするシーンもありますが、映画を見ていて同性愛とハッキリわからない描写です。本人もそんな自分を容認できていない感じです。

ローラ(ジュリアン・ムーア)
性同一性障害の方を想像すれば、我が子や妊娠している自分自身(=女性の身体をもつ自分)への嫌悪、友人女性に愛を拒絶された絶望など理解できますし、私にはローラが一番わかりやすかったです。実際わたしが同性愛やLGBTなど念頭にない初見のときでも、その「苦悩の大きさ」は「子どもを捨てるほど」と、中身はわからなくても苦悩の大きさはわかるのです。私も妊娠中に夫がベッドで♡待っていたら憂鬱ですし(笑)

ローラの場合は、男性と交わった証が妊娠であり、子どもであるというところに複雑な嫌悪感があるのではないでしょうか。

クラリッサ(メリル・ストリープ)
ここがわかりにくい(笑)ごめんメリル!
クラリッサは、元恋人リチャードが自分を振って同性(男性)と付き合うようになったことが引き金で自分も同性愛になったのか…、そこもよくわからないです。

映画冒頭でクラリッサ(メリル)の相手の女性がこっそり朝帰りしている場面があるので浮気か倦怠期か…。同性と結婚して体外受精の子どもがいても「変わらない愛など結局ない」という哀しみかなぁ?同性愛とハッキリしている反面、その苦悩の中身は見えにくい(笑)

単に元恋人(末期のエイズ)の死が迫っている哀しみだけではなく、彼と過ごした幸せ以上の幸せが訪れない哀しみでしょうか。同性愛であることを隠す必要がなくなったクラリッサの時代には、結局、過去の輝かしい幸せにばかり目がいき今の幸せ(一瞬)に気づかないという誰にでも起こり得る苦悩。

Meryl Streep

原題は「The hours」

時間は止められない、見えるものでもない。「川」も水の大きな流れを川と呼ぶだけで、貯まっていたらそれは湖。愛も止められず(移りゆく)実体がない。「川」に身を投じ自殺したヴァージニアの映画の最後のセリフ(遺書)は英語のままの方が味わい深かったです。
「The hours」が一番最後で、「the love」が最後ではないところにこの映画の深さがある気がします。

"Always the years between us. Always the years. Always the love. Always the hours."

ある人の死は、そこでその人生は終わるけれど、他の人の時間はまだ流れ続けている。それぞれ時間の流れの中にいて、流れ続けている時間の長さがYears、生きているその時その時がHours。流れゆく時間の中に一瞬一瞬の時間があり、幸せもそこにある。という感じでしょうか。←和訳ではなく感覚として。



メリル演じるクラリッサの前でリチャード(エド・ハリス)が飛び降り自殺するのですが、もうこの2人の演技が…( ̄^ ̄) 映画冒頭から3人の主人公の女性は息苦しい感じが漂っているのですが、この自殺シーンは部屋にメリルが入ったときから、おそらく自殺する予感はあったんでしょうね。けれど時間は止められない。

リチャードに流れる時間は濁流のように激しく、それに耐えきれず吸い込まれるように自殺するのですが、同じ空間にいるクラリッサに流れる時間とは流れが違うんですよね、、、。それを2人の演技だけで醸すところはさすが!←思いっきり私見ですけど(笑)流れる時間に逆らえない感じがして、私が息苦しかった(笑)


撮影終了後

映画のラストで年老いたローラ(ジュリアン・ムーア)とクラリッサ(メリル)が対面するのですが、このシーンは最初は別の女優さんで撮影されたそうです。ただ編集仕上げ段階で物語の連続性が損なわれることを危惧し、撮影が終了して1年経っていたのですが、急きょジュリアン・ムーアの老けメイクで再撮影されたそうです。そして、メリル・ストリープは『アダプテーション』の撮影中だったのですが呼び戻され再撮影に応じたそうです。

何がスゴイって、『アダプテーション』は劇中劇の話から飛び出て最後は現実の話と結びつくのですが、『めぐりあう時間たち』も最後で実際に絡み合ってくるので、このややこしい映画を同時に2本、、、恐るべしメリル・ストリープ。しかも『アダプテーション』もいろんな賞レースを賑わせた映画ですし。

メリル演じるクラリッサの元恋人役エド・ハリスも壮絶な演技でした。この年のアカデミー賞の助演にノミネートされていましたが、受賞したのは『アダプテーション』のメリルの相手役クリス・クーパー。でもクリス・クーパーも負けず劣らず凄かったです。




紹介したい関連動画はあるのですが聞き取りが難しくて(笑)もう少し聞き取れてからにします。




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プロフィール

Author:ゆるり
見る映画は映画全般ではなく、ほとんどメリル・ストリープ映画だけ。未見作品もまだまだありますが、映画の制作裏話やメリルのスピーチやトーク番組を紹介しています。

(注)最新情報をお届けすることはなく、ひたすら過去のことを書いています。英文や和訳は間違いだらけですので参考程度にお願いします。
(2015.9.14 ~)

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